不動産業者は依頼を希望する物件の所有者が相談している本人のものなのかどうか、登記済権利証が手元にあるかどうか、売却の意志が固まっているか、物件について争いごとがないかを相談します。
●権利関係がすっきりしてないと、買い手が見つかり、いざ契約、そして登記という段階になって、売る不動産に複雑な権利関係があったとなっては処理に時間がかかり、せっかくの買い手も嫌気がさして、取引が壊れてしまわないとも限りません。
●登記名義人が死去した父のもので、相続人が何人もいて、全国に散らばっているとなると、委任状や印鑑証明を集めるのに時間がかかってしまいます。中には、土壇場で反対するものが出てきたりします。
●このようなことがないように権利関係は早めにすっきりさせておくことが必要です。
 
  
  ●土地や建物の売却を希望するお客様にとって売り出し価格は高いに越したことはありません。
●しかし、その土地がどういう条件の地域にあるか、また土地の形はどうか、方角は道路のどっち側かなど、公道への接道状況も土地によって様々異なり、その違いによっても高くなったり安くなったりします。
●またその時代の景気変動も価格を決める重要な要素になります。
●そのためお客様の希望道折りの売値が付くとは限りません。
売り手であるお客様の意見と不動産業者のアドバイスとを合わせて、充分話し合った上で決めた方がいいでしょう。
 
  ●お客様が所有する土地や建物を売却したいと考え、不動産業者に相談した結果、お客様がその不動産業者が依頼するに足る業者であると判断し、売却を依頼する事になったとき、不動産業者と依頼者であるお客様の間で相談した結果、取り決められたことについて、媒介契約(仲介委託契約)を締結します。
●契約の内容については宅地建物取引業法第34条の2第1項に従い、一定事項を記載した書面を作成します。これを
媒介契約書と呼びます。
●この媒介契約には有効期間があります。媒介契約が無期限に続くと依頼者、不動産業者の双方にとって不都合なため、契約期間を明示し、解除ができる場合とその効果について明記します。
●媒介契約を巡るトラブルの多くは報酬に関するものであるため、報酬の額やその支払時期などを記載します。
  
  
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ほかの業者
への依頼

・重ねて依頼することができる
(約款第
2条第2項)
明示義務(約款第4条第1項)

・重ねて依頼することができない
(約款第
2条第2項)

・重ねて依頼することができない
(約款第
2条第2項)

自己発見
取引

・認められる
(約款第14条第1項)

・認められる
・通知義務
(約款第13条)

・認められない
(約款第2条第2項)

 有効期間 3ヵ月以内 3ヵ月以内 3ヵ月以内
業者の義務 成約に向けての積極的努力義務 ・指定流通機構への登録義務はない、目的物件を登録すると決めた場合は登録する義務がある ・指定流通機構へ目的物件登録義務
・媒介契約締結日の翌日から7日以内の登録
・登録済証の交付
・指定流通機構へ目的物件登録義務
・媒介契約締結日の翌日から5日以内の登録
・登録済証の交付
業務処理状況の報告義務    2週間に1回以上文書による報告 1週間に1回以上文書による報告
 直接取引 ・報酬の請求
・契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬
※有効期間内又は満了後2年以内
・報酬の請求
・契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬
※有効期間内又は満了後2年以内

・報酬の請求
・契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬
※満了後2年以内

他業者によって
成約した場合
・費用償還の請求
・明示していない業者によって成約した場合、履行のために要した費用の償還を請求できる

・違約金の請求
・約定報酬額に相当する金額
※有効期間内

・違約金の請求
・約定報酬額に相当する金額
※有効期間内

自己発見取引を
行った場合

・費用償還の請求 ・費用償還の請求
・履行のために要した費用の償還を請求することができる
・費用償還の請求
・約定報酬額に相当する金額
※有効期限内
依頼者による媒
介契約の解除
(業者無責)
    ・費用償還の請求
・履行のために要した費用の償還を請求することができる
・費用償還の請求
・履行のために要した費用の償還を請求することができる

(財団法人不動産流通近代化センターテキストより)